Libenhamの文字盤を眺めているとケースの中心から少しずれた位置に針の中心があることに気が付いた。育つ環境によって中心位置が異なる年輪のイメージがふっと頭に浮かんだことから、木の断面をそのまま文字盤にしようと考え始めた。その土地にあるモノを活かして建築を作ることを常に考え、いくつもの場所で様々な素材を見てきた。そんな中、山から切り出したばかりの製材前の木々の断面を見た時、育った環境によってその姿を変える年輪には年毎の歴史が表現されているように思えた。時計針が示す刹那的な時間とは別の“ゆったりとした時間”を封じ込めてみようと思った。
1954年横浜生まれ。1979年東京大学建築学科大学院修了。コロンビア大学客員研究員を経て、2001年より慶應義塾大学教授。2009年より東京大学教授。1997年「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」で日本建築学会賞受賞、同年「水/ガラス」でアメリカ建築家協会ベネディクタス賞受賞。2002年「那珂川町馬頭広重美術館」をはじめとする木の建築でフィンランドよりスピリット・オブ・ネイチャー国際木の建築賞受賞。近作にサントリー美術館、根津美術館(毎日芸術賞)、GCプロソミュージアム・リサーチセンター等。著書に「自然な建築」(岩波新書)「負ける建築」(岩波書店)、「新・都市論TOKYO」(集英社新書)他、多数。
Kengo Kuma and Associates http://www.kkaa.co.jp/
ちょっ蔵プラザ
根津美術館
水 ガラス





